2011年02月28日

新燃岳噴火−山と生きる−レポート13

<レポート13>
新燃岳噴火は、様々なところに被害を及ぼしている。

高原町の主要産業でもある畜産業の約500戸は、総数約1万4000頭の牛を飼育している。1月31日、避難勧告と共に牛約300頭を近隣の小林市へと一時避難させた。だが、その後競り市開催の為に再び市営牧場へと高額な費用(1頭あたり1日600円)を払って移動させるか、売却するかの選択を余儀なくされた。これにより畜産農家1戸が、これを機に牛を手放す事を決断した。高齢によるとの理由だが、災害が一つのきっかけを作ってしまったといえる。

最後まで避難所「ほほえみ館」に避難していた27世帯のうち6戸が畜産を営んでいる。畜産農家のお父さん(60代)は、母牛8頭、子牛10頭を飼育している。噴火後に1頭の牛が生まれたという。「とにかく心配だった。ストレスで無事出産出来なかったら・・・」と語った。1頭の牛を競りに出すまでに、お腹の中で10カ月、出産後成長するまでに10カ月かかるという。「1頭の牛が出産出来ないと2年を棒に振る事になるからなあ。」とホッとした表情で語るお父さんだった。

そんな風に手塩にかけて育てた牛を売却せざるを得ない心情は想像に難くない。
                                                         (吉椿雅道 新燃岳を仰ぎながら)


posted by 被災地NGO恊働センター at 16:38| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

霧島連山・新燃岳噴火災害支援レポートNo.13

2月14日(月)から17日(木)まで、「中越・KOBE足湯隊」(事務局=被災地NGO恊働センター)の学生メンバーが宮崎県高原町に入りました。
引き続き、現状と足湯隊が聴いたつぶやきを紹介します。

なお、本日2月28日から足湯隊の頼政良太(神戸大学)が再度現地に入りますので、追って彼からの最新情報をお伝えします。

●足湯隊の聴いたつぶやき
避難勧告が解除された2月15日夜、高原の避難所での50代くらいの男性のつぶやきです。
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「避難所はしんどかったわ。
夜は2〜3時間しか寝てない、眠れないもん。
でも親子3人で寝ているから、ふと目が覚めて
横にいる子どもの顔を見ると、がんばらなあかん、と思うね。
子どもがいるからがんばれるよ。

家に帰っても布団では寝ない。
怖いから。こたつで3人で寝るよ。
玄関に荷物置いて、すぐ逃げられるようにしてね」

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「避難勧告が解除されたといっても、それは『安全宣言』ではない」と、高原町長は強調されていました。

これからも、完全には気の休まることのない生活が続きます。安全への不安、生活への不安を抱え、さらに「もう布団では寝ない」「毎日灰降ろし」などとなると精神的にも肉体的にも疲れ果ててしまうでしょう。

長期化することを前提とし、「山と生きる」ためにはどうすればいいのか考えていかなくてはなりません。


(文責:岡本千明/被災地NGO恊働センター・ボランティア)

被災地NGO恊働センター
代表 村井雅清
(2011/2/26)
連絡先:神戸市兵庫区中道通2-1-10
TEL 078-574-0701
E-mail:ngo@pure.ne.jp
振込口座:郵便振替01180-6-68556
口座名義:被災地NGO恊働センター
通信欄に「新燃岳」と書いて下さい。
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2011年02月25日

霧島連山・新燃岳噴火災害支援レポートNo.12

2月14日(月)から17日(木)まで、「中越・KOBE足湯隊」(事務局=被災地NGO恊働センター)の学生メンバーが宮崎県高原町に入りました。
引き続き、足湯隊が聴いたつぶやきを紹介します。

●足湯隊の聴いたつぶやき
高原町の避難所に避難中だった、50代くらいの男性のつぶやきです。
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(避難所で足湯をしながら)
「もうだめやね。観光もだめになってしまった。
誰もけえへんわ。ここは山も川も森も本当にきれいなとこやったのに……。

商品(花など)を販売したお客さんが
代金6000円のところ1万円振り込んでくれて
『多めに入れときます。がんばって!』と書いてくれたわ。
そうやな、負けへんで!がんばらなあかん!立ち直らなあかん。

でも商品全部だめになってしまって…
いまから違う商売せえいうてもでけへんしなあ。」

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「もうあかん…」という疲れ・あきらめと、「でもがんばらないと!」と自分に言い聞かせようとする気持ちが交互に漏れていました。表情は本当に疲れていらっしゃったようでした。

灰の話は昨日も書きましたが、農家にとって田畑への降灰は生計に直結する大きな打撃となっています。雨が降って灰が土壌に染み込んだり、除去がうまくできず灰が土に混ざり合ってしまうと土壌を元に戻すのに5年以上かかるという話もありました。

お年寄りの中には、「農業で生計を立てているという以上に、畑が生きがいや張り合い、運動になっている」人もいるそうですから、そうした面での影響も心配されます。

●足湯隊事務局にも霧島産しいたけが届きました!
農家さんといえば、被災地に入っているレスキューストックヤード・大谷さんのレポートにしいたけ農家Fさんの話がありました。

灰がかぶったものは捨ててしまったり、ビニルハウスで成長を抑制しているそうです。

足湯隊が現地拠点としてお世話になったお寺、光明寺さんが足湯隊事務局・被災地NGO恊働センターに、このFさんのしいたけを送って下さいました。

Fさんがひとつひとつ丁寧に灰をはらってくれたしいたけです。「ほんとに灰をかぶっていたの?」というくらいきれいで、ずっしり肉厚です。軽くあぶって食べてみました。ジューシーで本当に美味しいです!

灰をはらう手間分の価格を上乗せし、消費者はそれを理解して買うなど、大谷さんもおっしゃるように農家さんの収入につなげられないだろうかと思います。

福岡市のイオン九州社は生産者支援として、降灰で天日干しできなくなった
青首大根を販売しています(2月16日、毎日新聞)。


(文責:岡本千明/被災地NGO恊働センター・ボランティア)

被災地NGO恊働センター
代表 村井雅清
(2011/2/25)
連絡先:神戸市兵庫区中道通2-1-10
TEL 078-574-0701
E-mail:ngo@pure.ne.jp
振込口座:郵便振替01180-6-68556
口座名義:被災地NGO恊働センター
通信欄に「新燃岳」と書いて下さい。


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2011年02月24日

新燃岳噴火−山と生きる−レポート12

<レポート12>
避難所であった「ほほえみ館」で最後の最後まで残ったのはわずか30数名。2
月15日に避難勧告の全面解除になった際の発表では、27世帯73名と言って
いたが、実質は約30数名ほどであった。

 避難所で数少ない子どもであったRちゃんは、「子供だって疲れるんだから」
が冗談半分に言うのが口癖だった。お母さんの話によれば、避難してすぐにス
トレスからか一度倒れたそうだ。
そんなストレスを発散するかのように両親の足湯するそばで足湯隊のおにい
ちゃん達と遊んでいた。だが、避難所と言う事もあって思いっきり騒げないのも
またストレスになっていたのかもしれない。

そんなRちゃんが、自宅に戻った翌日、電話をくれた。電話口で恥ずかしそう
に「今度また避難したら助けにきてね。」と言ってくれた。その言葉に目頭が熱
くなったが、子どもでさえもまたそのうち避難しなくてはいけない事を知っている
事に驚いた。これから先、噴火や雨の度にRちゃん達は、何度自宅と避難所を
行ったり来たりしなくてはいけないのだろうか。。。

                      (吉椿雅道 新燃岳を仰ぎながら)
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霧島連山・新燃岳噴火災害支援レポートNo.11

2月14日(月)から17日(木)まで、「中越・KOBE足湯隊」(事務局=被災地NGO恊働センター)の学生メンバーが宮崎県高原町に入りました。
引き続き、足湯隊が聴いたつぶやきと最新ニュースをご紹介します。

●足湯隊の聴いたつぶやき
今日ご紹介するつぶやきも、とにかく灰・灰・灰…です。
50代くらいの女性です。
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「屋根の灰おろしがねぇ・・・
朝からお父さんが雨樋だけ掃除してたけどもう疲れてね、寝てたの。
やることはいっぱいあるのよ。

果樹園をやってるから、そのお世話を優先させてると
どうしても自分の家が後回しになっちゃってね。
やってもらえると助かるんだけれど。
果樹園のほうも、ビニルハウスの灰を降ろしただけで片付け切れてないの。」

(学生:何月が忙しいんですか?)
「いや、何月ってことはないわね。
子どもみたいなものだから。
収穫後の1〜2ヶ月は少し落ち着くけど、ご飯(肥料)やったり剪定したり。
今の時期もすることはあるんだけど、
それよりも灰が気になるからそっちを優先してる。」

「このあたりは噴石も飛んでくるの。
何回目かの噴火のときに、噴石が降ってきて怖くて家の中に入っちゃった。
瓦に当たったらしくて、今日そこから雨漏りしてたわ。
だから(部屋に)鍋を置いてあるのよ。」

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●火山灰の利用について
上記のつぶやきからも、とにかく灰との闘いという状況が伝わります。屋根や畑、道路に積もった灰の除去は途方もない作業で、まだまだ人手が必要とされています。

一方、広大な灰捨て場には、次から次に灰が運び込まれていきます。こうした火山灰の有効利用について、本日(24日)、読売新聞のネット版「YOMIURI ONLINE」に、
次のような記事が掲載されていました。
http://www.yomiuri.co.jp/homeguide/news/20110224-OYT8T00356.htm?from=os4

《新燃岳の降灰を使ったレンガ:売り上げの一部寄付》
宮崎県都城市の瓦レンガ製造業「宮崎高砂工業」が火山灰を使ったレンガを作った。
3月にも商品化し、売上の一部を被災者などに寄付するとのこと。
社長らが「地域の役に立ちたい」と考案。
レンガにはもともとシラス(火砕流の堆積物からできた砂状のもの)を
使うことから、火山灰を代用。

* * *

さっそく被災地の中からこのような取り組みが始まったのは素晴らしいことです!
厄介者を名産品に変え、さらにその利益を地域に還元するという素敵なサイクルが生まれようとしています。

火山灰は魚礁(魚の住み着く場)や建材にも利用できるそうですが、このレンガは火山灰の鉄分のせいか、強度も増したのだとか。

まさに、「火山とつきあって生きる」知恵です。

(文責:岡本千明/被災地NGO恊働センター・ボランティア)

被災地NGO恊働センター
代表 村井雅清
(2011/2/24)
連絡先:神戸市兵庫区中道通2-1-10
TEL 078-574-0701
E-mail:ngo@pure.ne.jp
振込口座:郵便振替01180-6-68556
口座名義:被災地NGO恊働センター
通信欄に「新燃岳」と書いて下さい。
posted by 被災地NGO恊働センター at 00:00| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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